測りたがりの痛がり屋

まいにちの記録

夏休みはじゃがりこと始める

夏休みだ!しっかり4日休む計画が見事叶いそう。仕事もうまくきりがついた(というかつける)ので開放感すごい。そして夏休みが始まる前夜祭、じゃがりこと酒をやりながら何度目かの「ラ•ラ•ランド」を見返した。以下ネタバレありだ。

 

若き夢追い人のミアとセブが終始美しく、役者としてもプロフェッショナルで、毎回泣かずに見ることができない。私は元々感動しいだが、こんなに何度も見返す映画はこの作品が初めてだ。なんでこの映画をこんなに愛すんだろう...少し暇を得た酔っ払いの脳で夜中に考えている。ミュージカルも特段好きという訳じゃないのに、この映画においてミュージカルは無くてはならない要素だ。身も蓋もないけど、これがあるからとにかく美しい。...またもや蓋も下敷きもオブラートもないけど、この映画のゴズリング(セブ)かっこよすぎだろ、そんなにまでキザなことして、いやキザなのがとにかくいい、キザをあそこまで美しくやり切れる人がいるだろうか...

 

愛し合うふたりが刺激し合い、自分の夢へと猪突猛進し、いつの間にかすれ違い離れていく様を起承転結、春夏秋冬で見事に描く。

 

セブは熱狂的に愛するジャズを自由に弾ける店を開くという夢を持っていた。ミアとの運命的な出会いの中、その夢を一旦保留にし、ミアとのこれからのために!安定の職(若者向けジャズ進化版バンドのキーボード)につく。

ミアは子供の頃からの夢、女優になるためバイトの傍らオーディションを多々受けるがことごとく落ちていた。セブの意見もあり、自分で脚本を考え一人芝居の舞台を企てる。

セブは一時期とはいえ夢を諦めたおかげで、違う方向性でしっかりお金を稼ぎ成功していく。ミアは夢を追い求め自ら道を切り開き努力するのに認められず、セブと明らかに距離ができていく。愛し合う2人がいつからか離れていく描写も見事だ。

セブがツアーで忙しい中時間をぬり、ミアへサプライズディナーをする中、ちょっとのギスギスタイムに「そもそもダメな俺が良かったんだろ、優越感に浸れるから(意訳)」と言った時のミアのショック、どこかに微かな図星。セブの、こうしたのはお前のためだったのに...と、1ミリの優越感、絶対に言ってはいけないことを言ってしまったという表情が印象的、明らかな分岐点。

 

そうして5年が経ち、ミアは紆余曲折の中認められ大女優に。セブはバンドをやめ、その資金でちゃんと夢だったジャズの大人気店を作り上げ、自由に演奏を出来るようになるのだ。

 

セブの人気店に、子どもをシッターに預けたミアとその旦那がフラッとジャズを聴きに来る。

セブとミアが目を合わせた瞬間、もしかしたら起こったかもしれない世界線、2人の幸せな時間がミュージカル風に流れ出す。喜劇のように、悲劇のように。

 

私もこれから歳をとっていき、いつか遠く分からなくなりそうな、夢を追うという情熱、荒さ愚かさ、美しさ。

夢をとるのか、愛をとるのか、狭間で悩み苦しむ愛し合う2人の姿。彼らも夢を取らなければ、もしかしたら愛する人と幸せな日々を送ることができたのだろうか。最終的に夢を得た人たちは刹那的にそう思う。隣の青々とした芝生のように。美しく切なく儚く、この映画には本当にとてもミュージカルが合う。現実と夢の狭間を行ったり来たりして、もしかしたら生きることとは、瞬間さえ切り取ればどれも美しくドラマチックなのではと思う。

あああ、ミアとセブの幸せな生活が諦めきれない。次号、フ•リ•リンドを期待。(不倫、ダメ絶対)

 

最初からかっ飛ばしすぎだ。夏休みは始まったばかりだ。