測りたがりの痛がり屋

まいにちの記録

机上の人生論

最近通販で折りたたみの机を買った。一から組み立てるのが得意じゃないから折りたたみにしたんだけど、これがけっこう値段以上にしっくりきて気に入っている。私はジェルネイルをしたり、色を塗ったりと創作が多く、おまけによくいろいろこぼすので綺麗に保てるか不安の日々だ。

それで思い出したのは、初めて買ってもらった勉強机に、シールをその日にペタペタ貼りまくり台無しにした時のこと。よく遊びに行く友達の小慣れた机を思い出し、ピカピカの机がなぜだかとても恥ずかしくなったのだ。私は慌てて大事にしているシール帳を取り出し、お気に入りを選んではいくつも並べて貼っていった。居心地悪そうな新品机を、小慣れた机というものに1日で変身させようという寸法である。それを見た母はびっくりし、そのあとは当然酷く叱られた。泣き泣き剥がすのだけどあの白いやつがこびりついて残り、新品にして、世にも汚いネチネチした机が出来上がった。こんなはずじゃなかった…というあの時のショックは今もよく覚えている。

小慣れたい気持ちは今もある。小慣れることを目標としている節もある。でも新品机にシールをべたべた貼ることはさすがにもうないだろう。小慣れるということには時間が必要で、すぐには難しいことであるということ。同時に、新しいということの特権、いつかは過ぎ去ってしまうその時期も大切だということ。そして時を重ねることで少しずつついていく傷や色のくすみもどんどんと愛おしく思えるようになっていく。急がば回れじゃないけれど、焦らずじっくり生きれる人間になりたいなあと思うのだ。

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