測りたがりの痛がり屋

イラストと一緒に、特に特別でもないけど愛しい毎日を、ぼちぼちお酒呑みながら書いて行きます。

呑まれるな

朝のホームで熟年サラリーマンVS若者で、本気の鞄引っ叩き合い怒鳴り合いをしているのを見たことがある。

その日は電車が人身事故で遅れていて、ホームが人で溢れかえっていた。イライラ空間の出来上がりだ。足だって踏まれ放題、遅刻確実だし蒸し暑いし気持ちは分からなくもなかったけど、膨れ上がる敵意に呑まれ、ただただ落ちていく彼らを見るのは相当気分が悪かった。もしかしたら熟年サラリーマンは会社をクビになり、妻や子供に行ってきますを言って公園かどこかに向かう途中だったのかもしれない。若者は初めて真剣に愛し結婚を考えていた彼女に振られてしまったのかもしれない。時と場合によっては、どんな器の大きい人も子どものようになることを私だってもう分かっている。だから彼らを責めている訳じゃなくて、やはりそこでどこか「ひやっ」としたことが不快だった。
ハルクみたいに変身はしないにしても、自分だってどうしようもない醜い心が、排除できればどんなに良いかと思うけど、在るからだ。それがどくんと蠢き共鳴したのが分かったから。
 
うまく飼い馴らすことが大人なのかな、臭いものには蓋をしろ?分からないけど、存在を認めて共存することが大事なのかなあ。歳を重ねれば「大きい人」にはなっても、必ずしも「大人」になれるとは限らないからな。醜い心との付き合い方をよく考えていく必要があると思う。あの時の熟年サラリーマンと若者が、それぞれどこかで楽しく笑っていればいいのに。

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